手軽に出品・購入できるクラウドソーシングサービスとして近年利用者が増えているココナラ。手軽に利用できるメリットがありながら、個人間でのやり取りとなるため出品者と購入者の間でトラブルが発生してしまうこともしばしば・・・。
今回はそのようなトラブルが発生しないために、実際に発生しているトラブルの事例を紹介しながら出品者側が事前に対策することによって防ぐことが出来るトラブル回避の方法をお伝えしていきます。
なお、筆者は主にデザイン(ロゴ、名刺など)を出品しているため、特にデザイン系の出品を考えている人にとって参考になれば幸いです。
ココナラで実際に発生しているトラブル
デザイン提案後にキャンセル・返金を求められる
デザインを提案した後に「思っていたものと違ったのでキャンセルしたい」「返金してほしい」と求められるケース。
ここで挙げられる問題は、
- 依頼者側:お金を払ったのに、希望するデザインを提示してもらえない
- 出品者側:時間をかけてデザインを制作したのに無賃労働になってしまう
どちらの言い分も分かりますが、このままでは誰かが損をしてしまいます。
そうしたトラブルが発生しないためにも出品者側は事前に気をつけるべきことがあります。
制作事例を複数載せておく
ココナラの出品ページに最大10枚まで画像を載せることができるので、これまで自分が制作した作品をできる限り多く載せましょう。(実績がない人は、自分で作成した架空デザインでも大丈夫です。)そうすることで依頼者が作品の系統を確認することができ、自分の希望するデザインを作ってくれそうかどうかを考える判断材料になります。
「購入前の見積り・カスタマイズ相談」を必須にする
出品ページの設定で、「購入前の見積り・カスタマイズ相談を必須にする」という項目があるため、こちらにチェックを入れておきましょう。そうすることで、いきなり購入されることがなくなるため事前イメージの共有や対応可能かどうかを見極めることができます。

イメージの共有
先ほどの「購入前の見積り・相談を必須にする」に続き、購入前のやり取りでは「希望デザインのイメージの共有」がとても大事になってきます。イメージを共有するために、依頼者には希望するデザインのイメージ画像を複数点送っていただくようにしましょう。
そうすることで、自分の作風と大きくかけ離れていないか、納得いただけるデザインを提案できるかどうか、を事前に判断することができます。
ラフ案の提案
事前にイメージの共有をしたからといって、必ずしも依頼者の求めていたデザインが提供できるとは限りません。自分が自信を持って提案したデザインでも依頼者からするとイメージと全く違うと言われてしまうケースも少なくはありません。
ヒアリングをした後に早速完成したデザインを提案してしまうと、上記のようなことが起きてしまった際に何度も修正することになります。
そのため、すぐに完璧なデザインを提案するのではなく、まずは複数のラフ案を提案し、その中から最もイメージに近い作品を選んでもらうようにすると後々修正回数が少なくスムーズに完成へと進めることができます。
キャンセル、返金不可の旨を記載しておく
制作事例を複数載せていても、事前にイメージのすり合わせをしていても、ラフ案を複数提案しても「希望しているデザインとは違うのでキャンセルしてほしい」と言われてしまうケースもあり得るかもしれません。
そうなってしまうと、出品者側の制作に充てた時間が無駄になるだけでなく、無賃で作業をしたことになってしまいます。そのような出品者側だけが不利にならないようにするために、サービスページの「購入にあたってのお願い」の欄に購入後のキャンセル、返金は不可の旨を記載するようにしましょう。
事前に注意書きをしておくことで、購入者側が慎重に購入を検討することにも繋がりますし、キャンセルや返金は不可であることを承知した上で購入していただくため、無償でキャンセルを求められることは無くなります。
購入者の希望納期に間に合わない
通常の制作日数よりも早い納期を希望される場合や、依頼が集中している中で「1週間でお願いします」など購入者の希望納期に間に合わせることが出来ない場合も少なくありません。
しかし、購入された後に「すみませんが、納期には間に合いません」では購入者に迷惑を掛けてしまう他、サービスの満足度にも繋がりません。
そうならないためには、下記のような事前対策が必要となってきます。
「購入前の見積り・カスタマイズ相談」を必須にする
上記の項目にも挙げていますが、こちらの対策はやはり必須であると言えるでしょう。いきなり購入されるから購入者の希望納期にあたふたしてしまうのであり、購入前の見積り相談で希望納期を確認しておけば現状のスケジュールで対応できるかどうかを検討することが出来ます。
作業工程の日にちを明確にする
購入前の見積りの段階で各作業工程にかかる日数を必ず提示するようにしています。
例えば、
- ラフ案 … 目安:3日
- ブラッシュアップ … 目安:5日 など
そうすることで、購入者も大体の納期を予測できることができ、納得した上で取引を進めていくことが出来ます。(※事前に提示した期日は必ず守ることが前提条件です!)
何度も修正を求められて疲弊する
ココナラの出品者の中には、購入者が満足のいくデザインになるまで修正は無制限!と設定しているサービスが多いのですが、中には当初のイメージから段々とずれていく、永遠に修正を求められて終わらずに疲弊してしまうというパターンも多くあります。
何度も修正対応をしていると時給換算で驚くほど低い金額になってしまったり、作業日数がどんどん長くなってサービス自体の評価にも繋がってしまったり、と出品者にとってあまり良いものではありません。(ココナラでは「お届け日数」(作業日数)が平均で計算され、サービスページに表示されます)
購入者に満足してもらえるデザインを提供することは最も大切なことですが、出品者側が疲弊しないために防ぐ方法はあります。
ラフ案の提案
やはり、修正回数を少なくする秘訣は複数のラフ案を提案することです。
私の場合、ヒアリング後に複数のラフ案(およそ4〜6案)を提案し、最も希望に近いデザインを選んでいただいた後にそのラフ案の中で気になる点があればその時点で修正を行うという対応を取っています。
ラフ案の時点でおおかたの修正を行い、ブラッシュアップ(仕上げの工程)を行うことで、購入者はラフ案の段階でデザインに対して納得しているため、ブラッシュアップ後の修正はそこまで必要なくなります。(※実際に、ブラッシュアップ後に何度も修正を求められるケースはあまりありません。)
修正回数を設ける
こちらは、ラフ案の提案を行った上でオススメしたいのですが「ブラッシュアップ後の修正回数は5回まで無料」など事前に回数を決めておくと購入者もその決まりを理解して購入するためトラブルなく取引できることが出来ます。
ただし、ラフ案の時点でおおかたのデザインに納得された後のブラッシュアップで設定した修正回数を超える人が絶対にいないとは限らないため、修正回数の制限を上回る場合は追加料金を支払っていただくことも視野に入れておきましょう。
購入者から返信がこない
こちらが事前に提示した期日通りにデザインを提案しても、トークルームの既読がつかない、既読がついていても返信がないなどのトラブルがよく発生します。
そうなると購入者の希望納期に間に合わない、作業日数だけがどんどん伸びていき完成に至らないなど出品者側はどうすることもできず途方に暮れることになってしまいます。
事前に期日を設けておく
出品ページに「最後のメッセージから5日以上ご返信のない場合は、トークルームを自動的にクローズ致します。その際、ご返金対応はできかねますのであらかじめご了承のほどお願い申し上げます。」などと事前に注意書きしておきましょう。
そうすることで、いつになったら返信をいただけるか、ずっと不安に感じることもなくなりますし、事前にお伝えしているため購入者にも納得していただけます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ココナラは副業やスキルアップを目的として利用する人にとって、とても最適なクラウドソーシングサイトであると言えますが、個人間でやり取りすると上記のようなトラブルが発生することも少なくありません。
出品者も購入者も気持ちの良い取引をするためには、出品者側が事前に対策することで防ぐことの出来るトラブルは多くあります。
これからココナラでサービスを出品したいと考えている人は、トラブル回避のために上記の項目を参考にしていただければ幸いです。